TRINUS
2019.08.22
佐藤 真矢
CEO。
早稲田大学商学部卒業後、2003年に日系投資銀行の大和証券SMBC(現大和証券)に入社。
未上場のベンチャー企業/中小企業に対する株式上場支援業務、上場企業に対する財務戦略のアドバイザリーや有価証券の発行業務に従事。また、同社在籍期間のうち1年間は経営企画部で経営戦 略策定及び経営管理を、うち2年2ヶ月間は経済産業省に出向し、産業活力再生法の運用及び改正業務に取り組む。
2009年より外資系コンサルティングファームであるアクセンチュアの戦略グループにて、国内外の事業会社及び金融機関、官公庁、NPOに対して経営・事業戦略の策定及び実行支援に従事。
リンカーズ株式会社CSO&CFOを経て、2014年、株式会社TRINUS設立。

埋もれている技術とクリエイターを結び付けてワクワクを生み出したい


– TRINUS設立のきっかけは?

学生時代からいずれ起業することを考え、卒業後は証券会社やコンサルティングファームで資金調達や事業の進め方を実践で学んでいました。

 

TRINUSの事業モデルに思い至ったきっかけは2つ。
ひとつは、コンサルタント時代に、障害者施設のものづくり支援に携わった経験です。
障害者施設では、製品を丁寧に一生懸命作っているのに売れない、という現実がありました。
私は、“デザイン”に着目して、どうすれば、もっとデザイン性の高い製品を低予算で作れるか考えました。
そこで思い付いたのが、世の中から幅広くアイデアを募り、優秀なデザインを表彰するコンペの開催。すると、募集期間1カ月ほどで382点ものデザインが集まったんです。
コンペ形式にすることで、障害者の置かれた現状を広く知ってもらうこともできました。
このとき、人のために自分の持っている能力を生かしたいと考える人たちが予想以上に多いと確信できたんです。
集まったデザインを実際に商品化するところまで支援できたのは、今のTRINUSの原点と言えると思います。

 

もうひとつの大きなきっかけは、ものづくり支援のベンチャー企業である「リンカーズ株式会社」での経験です。
そこでは、主に大手企業からの依頼で、製品化に必要な技術を持つ中小企業や研究機関を探してマッチングするという事業を行っていました。
どんなにニッチな技術でも、企画会社の条件に合う技術を持っているメーカーがちゃんと存在することに感動したんです。
世の中には、すごいメーカー、すごい技術がたくさんあるのに、埋もれてしまっているんじゃないか…。
障害者支援のデザインコンペで、「こんなにたくさんのデザイナーがいるんだ!」と感動したときと同じ感覚でした。

 

埋もれている優れた技術を発掘して公開し、デザイナーやエンジニアのアイデアを募って新しい製品を開発できないか。
それをどうしても形にしたいという思いを当時の社長も後押ししてくれて、独立してTRINUSを立ち上げることになりました。

 

“ものづくり企業”として、商品を世に送り出すまで見届ける


– TRINUSの強みは?

デザイナーやエンジニアのネットワーク力と、単なるマッチング企業ではなく、“ものづくり企業”であるというのが、TRINUSの強みです。

 

TRINUSのメンバーは10名ほどですが、TRINUSが持つデザイナーやクリエイターのネットワークは4000人規模です。
掘り出した技術に対して幅広くアイデアを募集することで、様々な視点からのニーズに応えられる製品へとブラッシュアップさせていくことができる。

 

そして、アイデアを募集して終わり、というのではなく、世の中に商品として送り出すまで寄り添うところがTRINUSの特徴です。
社名のTRINUSはラテン語で「三位一体」を意味しています。技術を持つメーカー、デザイナー、エンドユーザーの3者を取り成し、新しい価値を生み出す。

 

埋もれた技術を発掘し、その技術を使った製品のアイデアを募集、集まったアイデアを審査して商品化が決まり、量産できるようになるまで…発売するまでに2年かかった商品もあります。
それでも、そうした商品が発売されると反響は大きい。
日本のものづくりが持っている潜在力を引っ張り出したいという強い思いがあります。

 

世界中の技術とアイデアを発掘し、形にし続けていく


– TRINUSの目指すところは?

ものづくりという大きな視点で見れば、もっと柔軟にビジネスを生み出す仕組みが必要だと思っています。
大手メーカーでは面白い製品アイデアがあっても、数十億円単位の売り上げが見込めないと実現できないこともある。TRINUSのようなベンチャーが事業を立ち上げれば、その技術は生きるし、もし規模が大きくなれば大手が買い戻すことだってできるはず。

 

日本に限らず、世界中に眠っている技術とクリエイターの力を集め、人を前進させるような製品やサービスをつくり続けていきたいです。

 

 

「NIKKEI STYLE」にて代表佐藤のインタビューを掲載していただきました。
こちらの記事もぜひご覧ください。
前編 デザイナー4千人束ねる 起業家が問うものづくりの形
後編 埋もれた技術で一歩先へ ものづくり信じる起業家の志