TRINUS
2019.09.02
CEO対談 vol.02 渡辺氏・平野氏(森永製菓株式会社)
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TRINUSがはじめて手を組んだ大手企業は森永製菓さん。森永製菓とのプロジェクトでは、2年余りでなんと4商品が生まれました! 溶けにくい素材を活用した、40分間口の中で溶けない超持続性ミントチップ『TiMES(タイムス)』、会議中や映画中にも喉を潤し続ける『長持続のど飴』。 ベイクド技術を活用した新食感チーズスナック『Cheezest(チーゼスト)』、世界のスープがスナックに生まれ変わった『WORLD SOUP SNACK(ワールドスープスナック)』。 当初存在したのは森永製菓の技術とTRINUSの持つデザインリソースのみ。初期段階にプロジェクトを担当されていた渡辺さんと、現行担当の平野さんを交え、ゼロから手がけた商品の開発秘話を語っていただきました。
インタビュー風景

信頼関係の構築はフットワークの軽さから

TRINUSとの出会いと、プロジェクト発足までの経緯を教えてください。

渡辺出会いは、森永製菓のアクセラレータープログラムです。私たちのような大手企業とベンチャー企業、それぞれのいいところを掛け合わせて何か生み出せないかと発足したプログラムでした。約150社からビジネスプランをいただいたのですが、最終まで残った6社の中にTRINUSさんがいたんですね。最初にご提案いただいた時から、ビジネスモデルはもちろん、商品開発の観点から見ても面白いと思いました。

佐藤その当時、大手企業との協業実績はまだなかったんですが、大手企業とコラボすることでダイナミックな事業ができるのではないかと考えて応募したんです。商品開発もご一緒できるし、大きな取組みに参画できるのは魅力だなと。

平野森永製菓では、商品開発段階で外部からの意見を取り入れられていないという悩みを抱えていました。

渡辺2017年10月にプロジェクトが始まって、半年後の成果発表会で報告することがひとまずの使命でした。マーケティング本部や研究所長、部長職やマネージャー職といったあらゆる決裁権がある人に説明して協業の承諾を得ました。社内を説得する段階で佐藤さんにも来ていただいて、一緒に説得してもらったり。大変ではありましたけど、結果として森永製菓の特許技術2つを使った商品を12月まで作って、1月にはテスト販売を開始することになったんですよね。普段の当社では考えられないようなスピードでした。

佐藤まずは森永さんがお持ちの技術の洗い出しからスタートしました。現場の方に話をお聞きしたかったので、研究所に伺って直接話をさせていただいて…。取り組みを始めるにあたって、多くの関係者への根回しが大変だった。こちら目線でいうと、森永製菓さん側にもこちらと同じマインドで取り組んでくれる存在がいないと進まないなと思っていたので、伴走者として渡辺さんの存在は有難かったです。フットワークの軽さと巻き込み力が半端ない(笑)。

渡辺いえ、佐藤さんのフットワークも本当に軽くて。研究所に来てくれたことは特に大きかったです。足を運んでくれたおかげで、弊社側も心を開けたのが良い結果に結びついたかと。森永製菓には商品開発に関する他社との協業の仕組みって全然なかったんです。他社と何かすることに不安のあった現場に、足を運んでコミュニケーションしていただけたのはすごく心強かったし、佐藤さんのひたむきな姿勢はプロジェクトの成功の鍵だったと思います。

インタビュー風景

連絡は毎日。試行錯誤の商品開発

プロジェクト進行中に大変だったことはありますか?

佐藤ベイクド技術とLSA(エルサ)という森永製菓の2つの独自技術を活用した商品企画・デザインの募集を2018年の年始からスタートして、2月14日バレンタインデーを締切としました。約1ヶ月半の募集期間に、ベイクド技術は約150件、LSA(エルサ)は200件近くの投稿が集まりましたね。

渡辺当時の『BAKE(ベイク)』のブランド担当やマネージャーを巻き込んで商品化プロジェクトがスタートしました。

佐藤投稿された商品企画のなかから、一次スクリーニングを通過した企画を幅広く実際に試作していただけたときは、びっくりしました。マーケティングやリサーチなど重ねて、いくつかの味に絞り込んだ上で”食品なので食べてみないとわからない、じゃあ一旦作ってみよう”って。確か、だいぶ尖った企画も実際に作って検証しましたよね(笑)。私が推したフォアグラ味のお菓子はちょっと尖りすぎていたようでした(笑)。

渡辺研究所が頑張ってくれたんですよ。TRINUSさんのオフィスで試食会を開催して、アンケートも実施して。あがってきた意見も参考にしながら、サイズやチーズ感、食感などの試行錯誤をした。ベイクド技術による外側のカリッとした感じと中のトロッとした感じのバランスについて何回も試行錯誤していくうちに、 ”カリトロ比率” という新しい言葉も生まれましたよね(笑)。

パッケージデザインは流通ではあまり見ない形状ですが、どのように決定されたのですか?

渡辺パッケージデザインはTRINUSさんにお願いしてブラッシュアップしながら仕上げていきました。パッケージは、今までにない形状だったこともあり、森永製菓社内からは”こんなパッケージでクラウドファンディングしていいの?”という意見もあがったんです。でも僕もプロジェクトチーム全体も、『Cheezest』のコンセプトをやりきって、きちんと反応が出るのか確かめたいという思いがあったんです。

佐藤『Cheezest』の形状は、チーズのホールをイメージしてデザインしました。おつまみのパッケージとしては斬新かもしれませんが、ある意味ではわかりやすいという思いもありました。その次に開発した『WORLD SOUP SNACK』も、実際のスープをイメージしたパッケージで。こういう新しいパッケージがお客様に受け入れられるのか、クラウドファンディングでトライするのにもすごくいいと思ったんです。

インタビュー風景

テスト販売の醍醐味は消費者を知れること

プロジェクトではどのような成果が出ましたか?

佐藤TiMES(タイムス)は、クラウドファンディング目標の約209%、325名もの方が支援・購入してくれました。

平野社内では、クラウドファンディングの成功基準って何?という議論がありました。TRINUSさんのプラットフォーム上に商品ページを作り込むことで実店舗よりも商品のことを詳細に伝えられるのがクラウドファンディングのメリットだという説明をしたんですが、結果としては商品理解=支援率、ということでKPIは支援率ということで落ち着きました。

佐藤テスト販売とはいえ、目に見える成果があるとやはり達成感がありますよね。元々あった技術を使った新しいコンセプトの商品が受け入れられたことがわかってうれしかった。全国の皆さまに手にとってもらうことが僕らのミッションだと思いますし。

渡辺テスト販売の面白さは、どんなお客様に買っていただけたのかを知れる点。きちんと興味を持って、購入にまで至ってくれた人の意見が知れたのは本当に財産でした。市場調査ではわからない生の声ですからね。

佐藤よくあるアンケート調査は実際に購入してもらう人の意見ではないので、場合によってはかなり間違った結果を導くリスクがあります。クラウドファンディング形式のテスト販売では、実際に購入するかどうかというリアルな反応なので、真剣度がまったく違う。さらにターゲットや商品の訴求方法について、複数の仮説のうち実際にどれが正しいのかという商品販売のABテストができる。こうした分析を渡辺さんと一緒にやっていきました。

渡辺当時は異常なくらい佐藤さんと毎日連絡していたことを覚えています(笑)。アクセラレーターでの出会いからスタートして、ひとまずのゴールが商品化でした。そこに向かって両社でかなりコミュニケーションを密にしていましたね。一緒に作った商品たちは今も少しずつ動きを見せていて、クラウドファンディング以外の販路も開拓中なので楽しみにしていてください。

インタビュー風景

大事なことは始めにクリアにしておくことが成功のカギ

プロジェクトを進める上で重要と感じることは?森永製菓内での当時の反響なども聞かせてください。

渡辺社内からは、商品を世の中に出したことはもちろんですが、ユニークな企画がたくさん出てきて面白いね、という声が上がっていました。森永製菓社内でも集まった商品企画に対する投票をしてもらったんですよ。

佐藤1,000人以上の社員に一斉メールを送っていただいたんですよね?

渡辺はい。投稿されたアイデアの数々を見て「こういう発想は自分たちだけでは出なかった」とみんなで感動していました。社長も「やっぱいいよなあ。TRINUSさんのデザインって。」「TRINUSを第二デザイン室として位置づけよう。」と言っていましたよ(笑)。森永製菓内製だと、良くも悪くも森永っぽさというのはあるんですよね。

佐藤そういう”ぽさ”みたいなものを壊す意味でも協業がうまくいったと思います。 そうだ!僕が一番良かったなと思うポイントは、最初にお金の話をしたことかなって思っていて。お金の話は最初にしていないと揉める。嫌だけどちゃんとお金の話はしましょう、ということで。

渡辺それは、本当にそうだと思います。あそこですごい真剣に突きつけあったからこそ、そのあとすごく自由にお互いやりとりができた。

佐藤お互い信頼関係ができましたよね。様々なお金のやりとりが生まれるけど、最初にベースとなるお金の話をできたのは本当に良かったです。そうするとあとで炎上しないですし、嫌なところだからこそうやむやにしないというのはとても大事でした。

平野そうですね!それで、最終的にできた商品も素晴らしかったので、お値段以上だったのかなと。

インタビュー風景

TRINUSにはアイデアの起爆剤のような存在でいて欲しい

これからのTRINUSに期待することを教えてください。

平野ここ5,6年は、技術はあるけど何も出来ていなかった。商品開発担当としては、TRINUSさんとの取り組みはとてもやりがいがありました。意見をいただいた上で、しっかりと橋渡しができた実感があり、ちゃんとしたプロジェクトとして進められてよかったと思っています。

佐藤我々が価値提供できた部分ってどういったところでしょう?

平野(商品開発の)チャレンジのハードルを下げていただけた点は大きいですね。これまでは、テスト販売など小さく進めることって社内だけじゃ不可能だったんですよ。

渡辺アクセラレーターって基本的に短い期間にごりっとやるイメージがありますけど、TRINUSさんとの取り組みは一過性のものではなく、継続的にしっかり取り組んでいます。既存品の味違いとかではない本当の新商品って、通常1年に1個あるか程度の頻度でしか出てこないんですよ。なのにTRINUSさんとは短期間に4商品も生み出せた。こういった柔軟な動きをする風土も社内外にPRできたのは、TRINUSさんのおかげかなと。

佐藤集まったアイデア自体はどうでした?

渡辺特に『BAKE(ベイク)』は発想の幅が広くて面白かった。社内でもアイデアベースでは出たとしても、何かしら言い訳をつけて実行しないのが普通だったんですよ。”やっちゃおうぜ!”と勢いで実行したのがすごい良かったですね。

佐藤今後は形を変えた協業もできるのでは、と思っています。例えば、貴社の技術を他社に持っていくとか、そのまた逆とか。ご一緒にいろんな可能性を追求していきたいですね。

渡辺単独では思いつかない発想で他社と商品開発できたので、事業開発にもチャレンジできたらいいかなあ、と思ったりしています。

平野より多くの協業のバリエーションを提供してくださることには期待しています。ルートも開拓したい!TRINUSさんには、アイデアを出していただく起爆剤のような存在でいて欲しいですね。

佐藤これからもどうぞよろしくお願いいたします!