TRINUS
2019.09.02
CEO対談 vol.01 小泉文明氏(株式会社メルカリ取締役会長)
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創業5年目の2018年6月に上場、そして今なお新サービスを次々と立ち上げ、勢い止まることを知らないメルカリ。 実は、株式会社メルカリ取締役会長 小泉氏とTRINUS代表 佐藤は、キャリアのスタートでもある大和証券時代の同期ということもあり、今回の特別対談が実現しました。お互いの事業やこれからの未来像について、経営者として、また20年来の戦友として、熱く語っていただきました。

TRINUSとメルカリの意外な共通点

TRINUSは「技術」という目に見えない価値を扱っています。少し幅広いですが「日本の技術」についてお聞きします。おふたりから、日本の技術はどのように見えていますか?

佐藤技術については、もったいない部分が多いように見えます。メーカーなど様々な企業の話を聞くと、研究者の開発軸と所属会社のビジネスの軸がズレているケースって少なくないんです。技術自体に優れたポテンシャルがあっても、会社のビジネスモデルの中でどう活かすべきかが分からなくて埋もれていってしまうんですよね。だけど別の業界や企業からすると非常に魅力的で必要とされていたりする。

弊社の例でいうと、それまでは食品容器や建築資材などに使われていた「MAPKA(マプカ)」という廃棄古紙を原料にしたプラスチック代替材料が、デザイナーの目線を通すことで「花色鉛筆」というプロダクトに生まれ変わった。角度を少し変えることで技術の活かし方が大きく変わって、新しい価値が生まれた例です。



小泉”新たな価値を見出す”という点でいうと、価値というのは状況や環境によって変わるというのが本質かなと。例えば、ここにキンキンに冷えた水があるとして、真夏の炎天下で汗ダクだったら200円出してでも飲みたいですよね。でも真冬の寒い日だったら必要ない。このように、周囲の状況で価値というのは常に揺らいでいる。

それを意識して、僕らメルカリではマーケティングプレイスやマッチングプラットフォームを提供しています。様々なモノや技術を、現代のテクノロジーで埋もれることなくマッチングさせる。オープンソースとして探してもらえるようにすることで、人とモノ・技術がきちんとマッチングし、新しい価値が次々と生まれていくと思っています。



佐藤さすが、上手くまとめてくれたね(笑)。角度は違うけど、TRINUSもそういった価値を生み出すためのビジネスモデルを実現しようとしていて。例えば、サッポロビールさんの中に眠っていた技術をプラットフォームに公開して、富山県のクリエイターがデザインを提案して、完成した商品を世界に届けていく、というような。

プラットフォームを舞台に、技術とクリエイターとユーザーをつなげて、新しい価値を世界に発信する。扱うものは違うけれど、そのあたりはメルカリの考え方とも近いのかもしれない。

インタビュー風景

均一化と断絶化が進むグローバル社会で求められているもの

日本のサービスは、世界でどのように受け入れられると思いますか?

小泉海外に(サービスを)出すのは自由なんじゃないですか?受け入れられるかは別ですけど。
最近、よくも悪くも世界中で同じような生活をしている人が増えてきているような気がしています。テンプレート化というか、世界がちょっとつまらなくなっている。東京23区と、ニューヨークと、パリに住んでいる人ってだいたい同じことしていると思いません?朝はスタバのコーヒーを買って、スキマ時間には同じようなソーシャルメディアやニュースに触れて…生活の多様性がなくなっている。グローバリゼーションの中で同じような商品やサービス・インフラに囲まれることで、生活が固定化し始めていると言えるんじゃないかな。

そういったテンプレート化に向かう大きな流れに合わせることで、世界にサービスをデリバーしやすいと思う。だけどその場合は資本力の勝負とも言える。GAFAに代表されるように、既存のサービスやインフラに権力が集中するのでスタートアップの入る隙間がなくなっているように感じます。


その一方で、断絶化されているという感覚もある。例えば、日本国内では都心と地方で文化や考え方が違ってきている。アメリカでも州ごとの考え方の違いで支持政党がまるで異なったりしている。
多様性がなくなり、かつ断絶化も進む社会の中でどのような未来を描くのか。そして世界の大きなコンテキストに対して、どんなポジションを取って、どう抗うのかが、私たちの課題だと捉えています。
そんな世界で、TRINUSから生まれるプロダクトも人々のライフスタイルに何をどう提案していくか?社会にどう馴染むか?ということが強く求められる時代になっていくんじゃないかな。



佐藤ライフスタイルに多様性がなくなっていくと、求められるものも均一化していくイメージ?

小泉均一化する流れの中で、社会全体のニーズを探し続けるのもいいし、断絶化された中で小さなコミュニティや限定的なマーケットを取りに行ってもいいし…ってことかな。これだけモノが溢れている時代では「何でもいいからこれ使ってね」はもう厳しい。こちらの意図やコンテキストを明確に伝えられるかっていうことが勝負。

佐藤TRINUSはモノ作りがメインだけど、モノが溢れる社会で使いものにならないものを作ってもしょうがない。じゃあどんなものが求められているのかを考えると…日常生活を支えるインフラ的な生活必需品と、人の感情に訴えるアート寄りのモノの2つに分けられるのかなと。生活必需品に関しては、さっきの話のとおり大手メーカーの商品やサービスが強いし便利だとも思う。
だからこそTRINUSは、後者のストーリーやコンテキストがあるアート寄りのモノを作っていきたい。そこには、テンプレート化する社会からこぼれ落ちるようなクリエイターの「個性」や「アイデア」が込められていて、そういう感情や感性が宿ったモノを見るとクスッと笑顔になれたり眠っていた感性を刺激してくれる。だからこそテンプレート化や断絶を超えて、結果として幅広い層に支持されるんじゃないかな。TRINUSのものづくりではストーリーをとても大事にしているし、これからもそうしていきたい。

小泉ストーリーのあるものの時代ってのは間違いないと思う。

インタビュー風景

ストーリーあるものが受け入れられる時代

TRINUSもメルカリも、プロダクトやサービスに「体験」や「ストーリー」が含まれているように感じますが、ものづくりのストーリーやユーザー体験についてはどのように意識されていますか?

小泉メルカリはプラットフォームのようなポジションにいるので、ユーザー一人ひとりのコンテキストの中で利用してもらえればいいかなって思います。余白が多いというか、プラットフォーム上でそれぞれのコンテキストを描いてもらえるんです。利用動機は、お金儲けでも、捨てるのはもったいないという感情でもなんでもいい。それぞれのストーリーに合わせて使ってもらえる。

佐藤余談だけど、自分も起業したときにお金がなくてメルカリで私物を売りまくった(笑)。そういう意味ではうちの起業を支えてくれたと言えますね。これも、僕のストーリーの中でメルカリが機能してるってことだよね。

小泉「買ってもらえた!」という承認欲求を満たすのでも、主婦の方が誰かとコミュニケーションしたくて使うのでもなんでもいいんです。
例えばAmazonのようなECサイトの平均利用時間って、1ヵ月約1時間なんですよ。それに対してメルカリは1ヵ月5時間半です。これってソーシャルメディアと同等か長いくらい。なぜかと言うと、メルカリは単純なECサイトモデルではなく、承認欲求を満たしたりゲーミフィケーションの要素が入っているからなんだよね。
利用者それぞれにとって受け入れやすいし、好き勝手に使ってもらえるから何回も訪れてもらえるし、長時間使ってもらえる。僕はそういう余白のあるサービスを意識して作るようにしています。元々いたmixiもほんと余白だらけと言うか、お好きなようにという感じで(笑)。

フレームだけ用意するのであとはみなさんが思い描くようにやってくださいね、というのが好きですね。基本的には。



ものづくりをするTRINUSと、モノを作らないメルカリ。互いの事業についての印象や感じていることを教えてください。

佐藤TRINUSはものづくりをしていて、メルカリはどちらかというと効率化に向かっているような気がする。新しいモノを作らない方向性というか…。すでに在るものの価値を他者に繋げているけど、モノを作ってしまっている我々に対してメルカリはどう思っているのかは聞いてみたい。

小泉全然ものづくりしてよ(笑)

佐藤ものづくりについて、なにか思うことはある?

小泉さっきの話もそうなんですけど、メルカリで売れるものって、やっぱり”ストーリーがあるもの”なんです。

いまメルカリではハイブランドの取引が増えてきているんですが、理由は、購入額が高くてもメルカリで売れると思うと買いやすいから。つまり、二次流通があると一次流通で高額なものを買いやすいということです。外車やSUVがこんなに売れている理由も、単純に下取りが高いんですよ。そういった背景が後押ししている。

二次流通があることによって確実に売れる、もしくは最初から高いものを買うのは怖いけど、二次流通で買って試して、”やっぱりこのブランド好きだな”って新品を買う。二次流通があることによって一次流通を変えられると思うし、変わってきていると思う。



佐藤ほんと、変わってきてるよね。作るだけじゃなくて売ることにも関わっているから、実感してる。

小泉ハイブランドが売れている一方で、メルカリで一番売れているブランドはユニクロだったりする。程よいトレンド感があるし、誰もが着たことあるブランドだからサイズ感をイメージできて買いやすいんだよね。

高級車と軽自動車にアパレルをあてはめると”ハイブランド”と”ファストファッション”になるけど、メルカリでもこの二極化が起きている。真ん中の価格帯は売れにくいです。本当に気に入れば正規価格でも買えてしまうから。ハイブランドにしろユニクロにしろ、そこにはストーリーやベネフィットがきちんと浸透している。ストーリーがあって正しく自分たちの価値を提案できるものに人々が集まりやすいとも言えるのかもしれないね。

モノを買うときの理由づけとして、カジュアルでこだわりのないものであればベネフィットと適正価格というストーリーがあれば買うし、こだわりのあるものには際限なくお金を出す。その2つに分かれると思ってて、世の中のものって全部再設計されてきていると感じますね。



佐藤ひたすらモノを買っては売ってを繰り返し、買った値段より高く売れたりもして、しかもメルカリみたいなインフラやテクノロジーによってそのスピードがどんどん上がっている。消費行動が変わってきているよね。

TRINUSでは、食品にも多く関わっています。体験要素が強い「食」に関しても、消費行動は変わってきていますか?

小泉食も結局、生産者の顔が見えるストーリーのあるものに向かってますよね。ひと昔前、今もそうかもしれませんけど、形が綺麗とか色がいいってことが農作物の価値でしたよね。そういったクオリティを資本が保証してくれるっていうのが今までの農作物だった。

でも今って資本が介入しなくても「その人自身の情報」がクオリティを保証してくれる。メルカリでも野菜の取引は非常に盛んなんですが、その理由は「評価がつく」から。その人の野菜に対して、CtoCで評価が付き、なおかつそれがきちんと見える。見える化することで、大きな資本を介さず人と人の信用や信頼が成立するようになってきた。

個人への信頼があれば、CtoCで直接取引すれば流通に抜かれていた分がなくなるので売り手は儲かるし、買い手は安く買うこともできる。メルカリだと手数料10%だけで、例え色や形が悪くても売れる。インターネットは、個人がエンパワーメントされることがすべてだと思っています。消費者にも選択肢を与えられることがエンパワーメントにつながっているんじゃないかな。

インタビュー風景

消費者にイニシアチブがあることが大事

TRINUSとメルカリでなにか協業をすることもあり得えますか?

佐藤どうだろう。個人をエンパワーメントしている点では、似たような構造はあるのかな。クリエイターが直接TRINUSのプラットフォームに企画を投稿して、そこからメーカーと作ったものをサイト上でユーザーに直接購入してもらう、というところは似ていますね。インターネットを使って繋いでいる点では非常に共感できるなあと。

TRINUSの事業について共感する部分はありますか?

小泉まさしくだな、と思ったのは、ひとつの組織だと技術を一方からしか見られないから、技術の価値が正しく評価されない。開発した企業すら気づいていない価値がたくさんあるはずなんですよね。多面的に見ると色々な味付けができるはずなのに。

大企業もオープンイノベーションで他社さんと色々やりましょうっていう流れになっているし、1社でプロジェクトを開発することに限界が来ているんじゃないかと思います。
TRINUSのモデルのように様々な業界の技術と素晴らしいアイデアがコラボレーションすることで、もっと消費者が楽しめる時代になればいいですね。そこにはストーリーもあるし、ユーザーが喜んでる姿もきっと見えてくる。そういう時代だと思う。
結局、自由度が高いように見えて選択肢の少なかった高度経済成長期型消費は完全に終わりを告げて、「何を選んで買うか」は僕ら個人個人に委ねられているんですよね。結果としてテンプレを選ぶ人もいるけれど。

「じゃあ小泉さん、大量生産の時代が終わるってことは大量生産・大量消費はなくなるの?」って言われるけど、そうじゃなくて、消費者にイニシアチブがあること、そして自分のコンテキストで選んでるということが大事。

二項対立だと、「ヒルトン?エアビー?どっち?」ってなるじゃない?そうではなくて、ひとつにしぼることなく、気分とシチュエーションによって「自分自身で選ぶ」ということが大事なんです。「今日は彼女と一緒だからヒルトンがいいけど、ひとり旅ならエアビーがいい」というように。「イニシアチブが消費者にある」ということが、テクノロジーが与えてくれた大きな恩恵なんじゃないかな。ストーリー型の購買行動が進むという意味では、TRINUSが及ぼす影響が大きくなってくれればいいなって思います。

インタビュー風景

テクノロジーの力でセレンディピティを生みたい

消費者の選ぶ力は以前より強まっているということですね。そういった社会でもテンプレート化された購買の安心を選んでいく動きはなくなりませんか?

小泉興味あるなしで購買行動は分かれると思いますね。

佐藤こだわりのない部分については大量生産に流れて、こだわる部分はストーリーを重要視すると思います。

小泉消費者のこだわりには、顕在化された分かりやすいこだわりと、潜在的なこだわりというのもあると思っていて。
なにかのきっかけでストーリーのある商品に出会ったときに、あ、なんか俺これ好きかもっていう気づき、セレディピティをテクノロジーがサポートできたらいいなと。

ECサービスって、購買履歴からしかレコメンデーションないじゃないですか?でも今後、いろんな情報がデータ化されて、追跡されていくと予想される。これについてはネガティブなことをいう人もいるかもしれないけれど、ポジティブな面でいえば、こういう生活をしてたらこんなものも好きじゃないですか?という提案ができますよね。顕在化された欲求を効率的にという今の仕組みだと、セレンディピティはあまり誘発していなくて、これからは、「買ってみたらめちゃくちゃよかった!」というようなセレンディピティ溢れる購買体験を提供する時代だと思っています。

これまでのユビキタス社会は、インターネットにアクセスして自分たちで情報を取れるようにしました、という段階だったけど、次のアンビエント社会と呼ばれるAIの世界では、どんどんAIが意思決定をサポートしてくれるようになる。
例えば、「この打合せ終わりそうだからUber呼びますか?」とか。AIは意思決定をサポートしてくれるツールだと思っているので、きっと新しい消費も刺激される。



TRINUSのアプローチは?

佐藤潜在ニーズという意味では、人が持ってる潜在的なニーズを作っていくことがイノベーションであり、我々がやりたいことかなと。消費者の潜在的なニーズって商品開発フェーズのアンケート調査ではあんまり出てこないんです。商品の不満や改善点を元にした既存商品の延長線上にある改善案は生まれても、消費者が思いも寄らなかった商品の誕生には繋がらない。そのカギとなるのが技術なんじゃないかなと。

こんな話があって、ロウソクで暮らしてた時代って、「倒れたら危ないから倒れないように!」とか「もっと長持ちするように!」とか、ロウソク自体を進化させる議論しか出てこないんですよね。でも、技術のバックグラウンドが整うことでロウソクとは全く別軸の「電球」という0→1の新しくて驚きのあるモノが生まれる。

技術をベースにどう活かしていくかという発想があれば、多くの人が想像できない新しい商品が誕生する。だからこそ、TRINUSはどんどん技術を活かしていこうとしていて、それによって消費者の行動や生活をダイナミックに変えられるはず。

インタビュー風景

ものづくりに必要な3要素と大企業との取り組み方

潜在ニーズを発掘する、という視点でのものづくりについてどう考えますか?

小泉ものづくりに必要な要素は、「1.新しいアイデア」「2.顧客の声に応える」「3.オマージュする」。大きくこの3つじゃないかな。このバランスが崩れると、顧客不在の商品になったり、反対に顧客を見過ぎていると尖った商品が作れなくなる。この3つのバランスをうまく取れると、きちんと受け入れられるサービスや商品になると感じます。

佐藤それがTRINUSにとっても最大のテーマ。TRINUSの「TRI」ってラテン語で「3」の意味。”技術”と”デザイン”と”ユーザー”の3つをつなげる、とりなす、というイメージです。それぞれの立ち位置の重なり合ってるところを追い求めていこうというコンセプトから社名ができた。小泉の言った3つの要素は、TRINUSがずっと追い求めている部分。例えば、技術を活かす!と意気込んでも、ユーザーやデザインの視点がないと、片手落ちで独りよがりな物ができてしまう。

ものづくりに関する質問で、少し視点を変えて。両者ともベンチャー企業としてスタートし、大企業とも組んで様々なことを成し遂げていますが、大企業と協力して進めていくという点で思うところはありますか?

佐藤大企業でも「新しいことをやらなくては」という課題感は強くなっていますが、既存のオペレーションモデルが強すぎてなかなか思うように立ち上がらない。だからこそ、小回りが利いて勢いのある外部のベンチャー企業と組むことに意義を感じているのかなと。

TRINUSは、大企業の「ベンチャーと何かやろう!」を夢に終わらせず、具現化することにこだわっています。プラットフォーム上でのデザイン開発やテストマーケティングだけでなく、大企業内でのプレゼンテーションなど決裁を取るためのフォローもして、商品を世の中に出していくところまできちんと並走するからこそ、TRINUSと組む意味を感じてもらえてるのではと自負しています。



小泉大量消費時代の大企業は自社完結型のケースが多かったけれど、顧客ニーズの多様化に応えきれなくなってきた、という感じかな。
僕らベンチャー側にしても、双方WINWINになるメリットがないのなら無理してやる必要はない。大企業の抱える課題として、経営陣に技術に精通したCTOがいないことが多く、自社が有する技術のアセスメントができてない。だから、ベンチャーや外部企業と組めないんだよね。笑い話みたいだけど、ベンチャーに発注した技術を実は自社が持っていた…ってことも現実に起きているし、そして依頼の仕方が雑な大企業がとても多い。ベンチャー側も、風呂敷広げて抱えきれないという問題も起きたりするけど(笑)。

それぞれがもう一歩ステップアップして、お互いの強みと弱みを再確認する必要があります。じゃないと、双方とも不幸になってしまう。提携って、例えるなら出産とか結婚に近い気がしていて。結婚してしばらくってすごくラブラブで楽しいじゃない(笑)?でも、出産を経て子育ってっていうリアルに直面した時に辛くなっちゃう夫婦って多いんだよね。だから、子育てフェーズまでにお互いのいいところとダメなところをしっかりと理解してフォローしあえる、許しあえる関係を作っておくことが大事なんじゃないかな。

実は『メルカリはなぜ上手くやれてるんですか?』とベンチャー側からも大企業側からも質問されることが多いんです。例えば、ヤマト運輸さんにメルカリ便の提案をしにいったときは、過去3年間の有報と中計を全部読んで、そこにメルカリのストラテジーを押し込んでいくようにしました。ベンチャー側も、大企業の現状戦略とこれから描いていこうとしているストーリーの方向性を理解せずに組めるわけないですよね。コミュニケーションや相互理解が重要です。だからこそ、結婚や恋愛に例えるとわかりやすいかなと(笑)。



佐藤最近のTRINUSでは大手メーカーとの協業が増えているんですが、使われてない特許技術って維持するだけでもコストがかかる。使う?捨てる?外に出す?っていうのが、大企業の悩みのひとつになっている。

企業に眠っている技術の数々を見せていただいて、商品化できる自信があるものをプロジェクト化して一緒にやっていくんですが、アセスメントに関してはきちんとするべきとは思いますね。「佐藤さんとご一緒して、社内にこんな技術があることに初めて気づきました」と言われることも結構あって、隠れ金山を掘り起こしてる感覚でワクワクしてしまう(笑)。

インタビュー風景

直線的な挑戦を期待 「つぶれてもいいから攻めて欲しい」

最後にお互いの事業について期待していることを教えてください!

小泉佐藤には、つぶれてもいいから攻めて欲しいですね。僕自身、レールを敷かれる人生よりも自分が生きてる意味を世の中に問い続けたいと思ってサラリーマンをやめたので、TRINUSも思いの先にあるミッションにピュアに向き合って、突き進んでいってくれたら。そういう純粋さは辛いことも乗り越えられる鍵にもなります。

自分たちがやってることってミッションにあってるのかな?ってブレ始めると、何のために会社をやってるのか分からないくて辛くなってしまう。それよりは、やることやって激しく散る!ってぐらいやって欲しい。直線的に動いて欲しい。メルカリもアメリカ展開は短期でやっちゃったけど、やっぱり僕自身やりたくないことはやりたくないし、TRINUSにも突き抜けるためにはエゴイスティックにやって欲しい!



佐藤メルカリはスタートアップにとってモデルケースであり、光であり…。このままの勢いで走り続けてみんなの目標であり続けて欲しい。海外に対するチャレンジや、ほかのテーマもあると思います。海外でプラットフォーマーとして成し遂げた例って日本企業では前例がないと思うので、そこまでやり遂げてくれたらいいなと思っているよ!

小泉お互い楽しみしかないですね!